近所で噂の新井ビルへ潜入
季節問わず、この話をすると誰でも耳を傾ける。それは怪談話。
幽霊やら怪奇現象やらの類は全く信じない私だが、今回は友達からの頼みで
現場へ向かってみることにした。そこは、立ち並ぶ雑居ビルの1つの新井ビル。
3階建ての建物で、下から飲食店・飲食店・事務所といった内容の、どこにでもあるような
普通のビルだ。ここが、本当にあいつの言っていた場所なのだろうか。あいつが言っていた事は
本当なのだろうか。外見からはその不気味さは分からず、中の階段へ向かうことにした。
飲食店が営業している事もあり、真夜中であるがビル内も明るい方だと思う。かつて、
自分の手が見えないほどの暗闇の中、道に迷った経験がある私は、多少の暗がりでは動揺する事も
無く、まだ明るいじゃないか、と、すこぶる前向きだった。そして、友達の言っていた場所へ
ピンポイントで向かう。話によると、細い階段にわずかにある踊り場に、一枚のポスターが
張ってあるのだという。階段を上ろうと上を見上げると、それは簡単に見つかった。ポスターには
大きいゴシック文字で「新井ビル」とだけ書かれている。
目的の場所、物にあっけなくたどり着き、早速友達へと電話をかけた。コールがなるが、
なかなか出ないので、留守番電話内に言葉を残した。友達が言うには、問題はこの
「新井ビル」と書かれたポスターの裏にあるという。聞いた話は、半信半疑でもあるし、
自分で確かめるまでは人にも話さないと決めていた。ポスターをめくる為に、角に張ってある
テープをはがそうと手を伸ばしたその時、携帯電話の着信音が鳴った。友達からである。
慌てた様子で話を始める友達の言葉に、すぐさまその場を立ち去る事にした。私が残した
留守番電話を聞くために。私の声の向こうで聞こえたのだそうだ。その言葉は・・・・。
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